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事務処理特例条例による権限移譲についてまたまた取り上げます。 各県とも、これまでは土地に着目した権限の移譲を中心として行われてきたと思います。 例えば、開発行為のような土地の形質変更の許可であるとか、建築確認に関わる権限など。 しかし、今後、それらの土地に着目した権限の移譲が一段落すれば、人とりわけ法人に着目した権限の移譲が検討対象になってくることが予想されます。 土地に着目した権限であれば、当該土地がどの市町村に存するのか明確ですから、権限の配分先に問題は生じないでしょう。 しかし、法人に着目した権限の移譲はそのように単純ではなりません。 法人を対象とする限り、その所在地は、主たる事務所となります。 しかし、その法人の活動領域は必ずしも主たる事務所の所在する市町村の区域内に収まるものではありません。 それにも関わらず、当該主たる事務所が所在する市町村にだけ権限を移譲してしまうと、例えば、隣接する市町村に存在する当該法人が運営する施設への立入検査はどうするのかとい問題が生じます。 いかに権限移譲を受けたとはいえ、自らの市町村区域を超える場所にまで立入検査ができるのでしょうか(できないと思いますが・・・)。 できない場合は、では、誰が立入検査をするのでしょうか?仮に、都道府県か隣接市町村が立入検査するとして、その結果に基づく行政処分は、都道府県や隣接市町村にはない、といった問題が生じます。 また、逆に主たる事務所ではなく、法人の運営する施設が存する市町村に権限を移譲した場合を考えてみると、例えば、別の市町村に存する主たる事務所に対して報告聴取などができるのかという問題が生じます。仮に、できるとするば、施設が複数の市町村に存する場合はそれら市町村全てが一の法人に対して並行して報告聴取権を有するようになってしまいます。それは報告聴取権を増殖させることになりおかしくないかといった問題が生じます。 同様の問題は、国と都道府県との間の権限配分でも生じます。 そのため、通例は、当該法人の活動範囲が一の都道府県の区域を超える場合の法人監督は国、そうでない場合は都道府県とされていたり、都道府県に一部の監督権限だけを移譲していても(例えば立入検査権限)、立入検査を行うよう国が指示できるようになっていたり、立入検査結果の国への報告義務を課したりして、それによって、国による一体的な法人監督を可能とするな制度設計が行われていたりします。 果たして、都道府県と市町村の間でそれと同じことが可能でしょうか。 通常、法人の活動範囲が一の市町村の区域に収まっていることはまれですし、仮にそのような法人があったとしても移譲を受ける市町村にとってはあまりメリットはないと思われます。 そのため、いきおい移譲の手法としては、最終的な法人への監督権(法人格の取消など)は都道府県に持たせたまま、立入検査や勧告、指示といった監督権だけを市町村に移譲するという方向に向かうことになると考えられます。 しかし、この場合、国と都道府県の場合のように、市町村に都道府県への報告義務を課すことや市町村に立入検査を行うよう都道府県が指示ができるような制度設計は、事務処理の特例条例によって可能なのでしょうか?このあたりが、ボトルネックになると思ったりするわけで・・・。 |
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