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zoom RSS 「人類がたどってきた道 “文化の多様化”の起源を探る」読了

<<   作成日時 : 2006/06/04 20:22   >>

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一年ちょっと前に出版されたNHKブックスの「人類がたどってきた道 “文化の多様化”の起源を探る」を読み終わりました。

以前にNHKで見た↓などの影響もあって、だいぶ前に購入していたのですが、遅読なものでやっと今ごろになりました・・・。

「古代人類ミステリー」(2回シリーズ)
地球大進化 46億年・人類への旅 第6集 ヒト 果てしなき冒険者
日本人 はるかな旅 第2集 巨大噴火に消えた黒潮の民

「古代文明から現代の高度産業社会へ至る社会変遷史」3頁でなくて、それ以前の先史時代を対象としたのが本書です。

ホモ・エレクトス、原人、旧人などのホモ・サピエンス以前の人類を含めた人類史が述べられています。

また、近年の研究手法の進歩(ミトコンドリアDNAの利用)などからホモ・サピエンスの(多地域進化説ではなく)「アフリカ起源説」がほぼ確定していることなど、最近の議論がわかりやすく述べられています。

本書の中では、文字を用いることよりも「ホモ・サピエンスにおいてシンボルを用いる行動が進化したことが、人類史の大きな転換点になった」とされているのですが、説明を読んで、なるほどと思いました。

また、「言語」もホモ・サピエンスだけに存在したのではなくて、旧人、ひょっとすると原人にまでさかのぼる可能性があるというのは、驚きでした。

それと、ホモ・サピエンスの現代に至るまでの「技術的・社会的発展は、知力の進化によるものではなく、「私たちは先代から受け継ぐ「知の遺産の承継」によって、現代に見られる高度な産業技術や複雑な政治システムを築いてきたのである。・・・この伝統の起源が・・・五万年以上前までさかのぼる」(92-93頁)という「知の遺産仮説」が本書の柱になっています。
つまり、「現代人は、その内面において三○万年前の旧人や二○万年前の祖先(つまり最初期のホモ・サピエンス)とは違うが、世界へ拡散し始めた五万年前の祖先とはほとんど同一だ」(316頁)という説です。
そして、この説は、したがって「人種や民族の違いや多様性にばかり目を奪われがちである。しかし、このように身体特徴が進化し多様化しているからといって、私たちの内面も同じように進化し多様化しているわけではない」(317頁)という重要な指摘につながっていきます。

また、後半の第5章からは目次(下記)をみれば良くわかるように、各地域におけるホモ・サピエンスの拡大の状況が、語られていきます。
その中では、ネアンデルタールの文化やモンゴロイドの出現なども取り上げられています。

慎重で抑制の効いた記述となっており、研究者としての誠実な姿勢がよく現れていて、とても良書だと思います。

第1章 ホモ・サピエンス以前
第2章 ホモ・サピエンスの故郷はどこか
第3章 ブロンボス洞窟の衝撃―アフリカで何が起こったのか
第4章 大拡散の時代
第5章 クロマニョン人の文化の爆発―西ユーラシア
第6章 人類拡散史のミッシング・リンク―東ユーラシア
第7章 海を越えたホモ・サピエンス―ニア・オセアニア
第8章 未踏の北の大地へ―北ユーラシア
第9章 一万年前のフロンティア―アメリカ
第10章 予期しなかった大躍進―農耕と文明の起源
第11章 もう一つの拡散の舞台―リモート・オセアニア

人類がたどってきた道―“文化の多様化”の起源を探る
人類がたどってきた道―“文化の多様化”の起源を探る (NHKブックス)

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