しがない地方公務員のメモ帳

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zoom RSS 「水道サービスが止まらないために 水道事業の再構築と官民連携」読了

<<   作成日時 : 2008/01/09 00:12   >>

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水道サービスが止まらないために 水道事業の再構築と官民連携」を読み終わりました。

本書は
日本の水道が大きな転機を迎えている。」「社会基盤としての施設の老朽化」「少子高齢化を迎えた段階において更新期を迎え、大きな財政負担と政策選択の転換を求めるサイクルに入っている。」「地方公営企業の人的資源の減少」「地方公営企業の財政状況の悪化」「安全・安心を確保するための施設の改修等の実施にも大きな制約要因となっている。」(1-2ぺージ)
といった認識を前提として、
水道事業の持続性を確保することを目指して、水道事業の仕組みについて水道法、地方公営企業法、地方財政と官民連携と地方公営企業における政策決定から考え、
その上で水道事業の現状を水道事業ガイドライン(社団法人 日本水道協会規格)の業務指標を活用しつつ水道施設や水道経営について明らかにする。
さらに、水道事業における官民連携について、公共サービスにおける官民連携のあり方と官民連携手法の導入について記し、水道事業における監査制度について明らかにする。
また、水道事業の再構築について、国際的な動向を含めて、国内の再構築例を記した。」(2ページ)
ものとなっています。
で、目次を見れば大体の論調と内容がわかりますが、ある程度網羅的なものになっているため、水道事業入門者?にちょうど良い感じの内容になっています。
ただ、上記のそれぞれの内容について、総勢21名による分担執筆となっているため、体裁の問題(181ページの図とかにデータの出典元の記載がなかったり)や記載内容に重複がありますが、そのあたりは、まあ仕方がないのでしょう。

個人的メモ
今後、水需要が減少に転ずると、必要以上に余剰が生じることとなることから、長期的な水需要予測に基づきダウンサイジングを考慮した施設更新計画を策定していく必要がある。」(49ページ)
ダウンサイジングってのが結構難しいんでしょうね。。。

専用水道問題に限らず、水道需要の増加が見込めない現状では、逓増型料金制による需要抑制という本来の意義は限定的となっており、原価主義に基づく小口使用者の料金の適正化と併せ、料金体系の見直しが必要となっている。」(49ページ)
どうしてもこれまでどおり需要増加を前提とした計画を立てちゃうわけですが。。。

少数職員で事業運営を行うためには、計画、企画、監理部門等への集約が求められ、これまでの業務実施上のノウハウを厳選して承継、蓄積するなど、新たな経営体制の構築が求められる。」(50ページ)
新体制の構築に対してどこまで検討されているのか、、、なかなかそこまで考えが及ばない(余裕がない)ってところが多そうな。

財政再建のための民営化は、黒字事業の民営化が必須であるとともに、政府の役割を限定することが必要だということになる。
このため、地方自治体の職員の間では収益事業としてフローベースで安定した収入を上げている水道事業に対する民営化の反発は強いとしても、地方財政全体を地方交付税を通じた国に依存した構造から、より自立した構造への変革において、最初にやり玉に挙げられるのがこうした収益部門になる可能性が高いことになる。
」(68-69ページ)
ふーむ、どうしても水道事業は他の公営企業に比べ黒字ベースの所が多いので、問題無しと思ってしまうのですが、民営化の流れから見れば、そうなるのか〜。

現在、直営で実施している事業体についても計画給水人口が5万人以上の事業体においては、委託を検討している事業体が多いことがうかがえる。今後、計画給水人口5万人を境界に積極的に委託を促進し、差し迫る経営環境の変化に適応していく事業体と適応できない事業体とに格差が広がる可能性がある。」(124ページ)
可能性というか、現にかなりの格差が生じているような。。。しかも市町村合併にも係らずなお小規模に留まっているところはかなりまずいかもしれません。


目次
序(宮脇淳・眞柄泰基)
第1章 水道事業の仕組み
 第1節 水道事業と水道法(山村尊房・新田晃)
 第2節 水道事業と地方公営企業法(石井正明)
 第3節 地方自治体財政と水道事業(眞柄泰基・宮本融)
第2章 水道事業の現状
 第1節 水道施設(戸来伸一・竹村雅之・片石謹也)
 第2節 水道経営の課題(森本達男・森田豊治)
第3章 水道事業における官民連携
 第1節 公共サービスにおける官民連携のあり方(宮脇淳)
 第2節 水道事業における官民連携手法の導入(佐野修久・清水憲吾・河合菊子・眞柄泰基)
第4章 水道事業における監査制度
 第1節 監査制度とその課題(安部卓見)
 第2節 官民連携における監査制度(眞柄泰基・佐藤雅代)
第5章 水道事業の再構築
 第1節 水道事業の民営化の国際的な動向(吉村和就)
 第2節 水道事業の再構築例
  東京都多摩地区水道の一元化(松田奉康)
  松山市・DBOによる浄水場整備等事業の概要(渡邊滋夫)
  福島県三春町における包括委託(遠藤誠作)
  八戸圏域における水道事業の広域化(大久保勉)



2002年度以降コピーを取って、あるいは印刷して読んだ論文等

成果主義的な行財政制度の構築に向けた試論(1)複数年度型予算会計・補助金・定
員管理 / 木村琢麿 自治研究. 79(9) (通号 955) [2003.9]

はじめに
一 オーリウの学説
(一) 予算論
(二) 公会計手続と財政統制
(三) 企業会計的な発想
(四) 公役務の決定と執行
二 予算制度
(一) フランスの2001年組織法律
 (1) 予算単年度主義
 (2) 支出負担認可の拡張
 (3) 支出負担認可の統制
(二) 複数年度予算の憲法上の許容性
(三) 憲法85条の意義
(四) 改革の方向性
(五) 契約的構成による複数年度化

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内 容 ニックネーム/日時
水道法は需用者の法的地位をどのように保障しているのでしょうか。
水道需用者が愛用している浄水施設を水道事業者が休止しようとする場合、水道需用者の意向を何ら考慮する必要がなく、水道需用者が反対しても、一方的に休止できるというのは、一体どういうことなのでしょう。
浄水施設が地下水を水源としてこれを浄水しているところ、その維持管理には金がかかり、他方、付営水道からの給水契約量に余裕があるために、水道事業者としては浄水施設を廃止したいが、住民は地下水から浄水した方がおいしい水が飲めるために強く反対している。この問題を住民の意向を無視して水道事業者が一方的に処理できるというのは、そもそも水道法も、水道事業経営のあり方も、根本的に見直す必要があるのではないでしょうか。
湯川
2008/02/24 15:51

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