行政不服審査法の適用のない異議申出の制度

行政不服審査法は、第1条第2項で
「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為に関する不服申立てについては、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。」
と定めています。
したがって、「他の法律に特別の定めがある場合」には行政不服審査法の全部又は一部の適用がない場合があり、その際には法律に適用関係が明示されているのですが、個別法の施行令に基づく処分の中に明示されていないものがあります。
この場合は、解釈により適用の有無を判断することになろうかと考えています。
つまり、適用のないことが明示されていない以上当然に行政不服審査法は適用があると考えることもできますが、今回の案件は、施行令を根拠としている決定が、内容的には法律に規定している処分(こちらは審査法の適用が除外されている)よりも審査法になじまないもの(具体的には、ある事項について設けられている異議申出の制度に基づき出された異議に対する決定)だったので、当該政令で設けられた異議申出の制度は、行政不服審査法とは異なる特別の申し出として設けられた制度と考えて、この異議申出に対する決定については不服審査法の対象にならない、つまり、審査法に基づく審査請求はできないとして、審査請求人から出された審査請求を却下しました。
なお、政令に審査法の適用関係がないのは、審査法が「他の法律」としているにもかかわらず、政令を「決定」の根拠としていることから、政令に審査法の適用関係の規定を設けることができなかったのかな、とも思っていますが・・・。
ここまでは、まあ、それほど問題があるとは考えていないのですが、問題は、最初にもどって、そもそもなぜ審査請求人が審査請求をしてきたのか、という点です。
それは、処分庁が「決定」書に、審査請求ができる旨の教示をしていたからなのです。
で、審査庁としては、上記のように却下するしかないのですが、誤った教示をした処分庁の責任はどうなるのかな~と。
同様の「決定」は今後ともあり得る話ですので、処分庁がちゃんと教示文を修正してくれればいいのですが、処分庁にとっては審査庁である県が却下をしてくれる方が色々と楽なので(教示文から審査請求の部分が無くなると行政事件訴訟法上の教示文だけとなり「○○市を被告として訴えることができる」という文章となってしまうなど)、あえて教示文を修正するインセンティブは働かないだろうな~
と考える次第。
まあ、処分庁は、適用関係について明文の規定がない以上、異議申出制度があっても不服審査法の対象となると考えているのかもしれませんが。。。。。(なお、本件は、不服審査法のレールに載っても、法律上の利益がないとして却下となるような案件でした。 )

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