認定子ども園の認定基準条例

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http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20060801/p2で引かれている記事によれば、やっと「「こども園」認定指針を策定」したとのことです。

で、認定子ども園の認定基準条例の検討のため、国の基準(案)や各県のパブコメ内容を見ていて???

認定子ども園の認定基準の一部については、
就学前保育等推進法(就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律)
第三条第一項第四号と第二項第三号に
文部科学大臣と厚生労働大臣とが協議して定める施設の設備及び運営に関する基準を参酌して都道府県の条例で定める認定の基準に適合すること。
とあり、この基準を「参酌して」各県では条例で定める必要があります。

で、実際に示されそうな基準
就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第3条第1項第4号及び同条第2項第3号の規定に基づき、文部科学大臣と厚生労働大臣とが協議して定める施設の整備及び運営に関する基準(案)=「就学前の子どもに関する教育・保育等の総合的提供の推進に関する法律」に関する課長会議(平成18年6月28日開催) の資料Ⅰ-2-Ⅱの内容が今一つ理解できない・・・。

また、各県のパブコメ内容も国の基準をほとんどそのまま引き写しているため、国の基準(案)の酷さに引きずられて(まあ私が見たのは「案」段階ですから、実際に告示される指針は全く違うものになるのかもしれませんが・・・そうあってほしいな~)、条例案要綱のレベルに到達していないのではないかと感じています。

例えば、
職員配置基準には、
おおむね3人につき1人以上」とか、
「1学級の子どもの数は35人以下を原則とする。」(しかも例外についての規定がない・・・)、
「幼稚園の教員免許状及び保育士の資格を併有する者であることが望ましい」とか、
「その者が幼稚園の教員免許状の取得に向けた努力を行っている場合に限り」
とかいった表現があり、

施設設備基準には、
「同一の敷地内又は隣接する敷地内にあることが望ましい
とかいった表現があったり、

教育及び保育の内容基準には、
「教育の提供と、家庭において養育されることが困難な子どもに対する保育の提供という二つの機能が一体として展開されなければならない。」とか、
子どもが発達に必要な体験を得られるようにしなければならない。」とか、
「認定こども園に固有の事情として配慮すべき内容」とか、
適切な調和等の工夫を行うこと。」とか、
「日々の教育及び保育の指導における留意点
とかいった表現があったり。

更には、
保育者の資質向上等
なんて項目があって、
認定子ども園は、次の1から5までに掲げる点に留意して、子どもの教育及び保育に従事する者の資質向上を図らなければならない。
一 子どもの教育及び保育に従事する者の資質は教育及び保育の要であり、自らその向上に努めることが重要であること。
・・・

なんて規定があったり・・・。

こんな基準(案)をどうやって条例で規定せよというんでしょうか?

しかも、この基準(案)を参酌して各県が条例で定めた認定基準に適合することが認定の要件になっているわけなのです。
さらに、その要件を欠くに至ったときには、認定の取り消しができることとなっています(法10条)。

どうみてもこの基準(案)には、条例で規定するレベルの「認定の基準」の内容と、「審査基準」として整理すべき内容と、「処分基準」として整理すべき内容と、単なる「行政指導」の内容がごちゃ混ぜになっているのではないかと思います。

正直、国の基準(案)の「てにをは」を直した程度では、条例の体をなさないでしょう。

で、このように、そもそも示されている国の「基準」(案)が酷いわけですが、これに条例は「参酌して」という法律の規定によって縛られている訳です。

まあ、そのこともあって、おそらく、あまり「条例で定める」規定では使われることのない「参酌して」という表現が用いられたのだろうとは思うのですが・・・(通常は、「政令で定める基準に従い条例で」とすることが多いはず)。

で、「参酌して」「条例で定める」の実際の規定例を法律で探してみたところ、

地方税法
(宅地開発税)
第七百三条の三
2 宅地開発税の税率は、宅地開発に伴い必要となる公共施設の整備に要する費用、当該公共施設による受益の状況等を参酌して、当該市町村の条例で定める。


がヒットしました。

まあ、この規定例は、あまり役に立つ例ではなさそうなので、無視するとして、そもそも「参酌して」って何?ということなんですが、

最新法令用語の基礎知識改訂版(三訂版があるのですが手元にあるのは改訂版しかないので)281ページを見てみると、
参酌の項に
各種の事情や条件などを考慮に入れ、これらをもとにして判断すべきでであるという意味を表そうとするとき
に使われるとあります。

また有斐閣の法律用語辞典によれば、
比較参照すべき一定の事情、条件等を考慮に入れて、判断すること
とあります。

したがって、国が示す基準については、考慮に入れればよいのであって、条例でそれよりも厳しい基準を設けても、緩い基準を設けてもよいのでしょう。

ただ、国が示している基準には、上に述べたように審査基準や行政指導に類するようなことまで記載していることから、それらの部分までも、条例に規定するべきなのかどうか・・・。
項目丸ごとが「行政指導」のような部分もあるのですが、すべて無視してよいものか・・・。

また、法律が「条例で定める」としていることも気になるところです。
子ども園の認定は、単に確認するだけであって(それ自体は行政処分でしょうが)、その認定の基準を条例より下位のものに委任することを否定するために「条例で定める」としているわけではなかろうと。

包括委任の規定だけを条例に設けることはさすがにできないと思いますが、あくまでも条例では基本的事項を規定して、技術的細目は規則なりで規定することは問題ないと思っています・・・。

まあ、国が示している基準のうち「行政指導」の内容としか思われないような部分については、条例で規定する必要はさらさらないとは思っているんですが、どうでしょうかね~。

しかし、いまから、国が示している基準を参酌しつつ、条例の形に落とし込んでいくわけですが、ほんとに次議会に間に合うんだろうか???

こんなことになっているのは、毎度ながらの厚労省が原因なんだろうと思っているわけですが、今回、ことに重症なのは、厚労省と文科省の縄張り争いに関係がある、なんて下世話なことが原因なんてことはないですよね?

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