しがない地方公務員のメモ帳

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zoom RSS 「地域再生の条件」読了

<<   作成日時 : 2007/10/02 23:46   >>

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岩波新書の「地域再生の条件」を読み終わりました。

本書の出発点は
なぜ地域を活性化できなかったのか、その理由を確かめることなしに現状を打開することはできないということです。国がいうままにただ従ってきただけではないのか、公共事業に頼りすぎてきたのではないのか、地域の資源を浪費しすぎてきたのではないのかなどなど、いろいろ思い当たることがあるはずです。」(はじめにF)
「地域再生をなしとげたところがあるのです。それらの地域は国の地域政策が掲げた施策にしたがうのに疑問を抱き、自ら考え出した原理・原則に基づいた独自の政策を展開して成功を収めています。」(はじめにiv)
ということでしょう。

そうした国の地域政策の失敗を第1章で論証したあと、第2章以下で「わが道を行く」ことにより成功した各地の事例を取り上げています。

それらの事例などの例示も含めて本書の紹介は、岩波書店のHPにあります。コチラ→http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/4310590/top.html

で、取り上げられている事例ですが、小見出しから拾うと、有名どころばかりですが、
バリアフリーの地域づくりを目指す高浜市」46ページ
武蔵野市のムーバス、レモンキャブ」51ページ
武蔵野市の子育て支援策」54ページ
大分県大山の脱コメ農業」66ページ
「彩」で活性化する上勝町」69ページ
大台町宮川が進める森林「経営」」76ページ
豊後高田市の「昭和の町」づくり」89ページ
志木市の自然再生・復元策」95ページ
木津川再生プロジェクト」106ページ
人口の100倍の観光客が訪れる小布施町」131ページ
金山町の森林活性化策」140ページ
市川市の「1%条例」156ページ
湯布院町の条例はなぜ創造的か」175ページ
八王子市の「すべての人にやさしいまちづくり」183ページ
といった感じです。

あとは、いつものように個人的メモ

永田町や霞ヶ関の思惑により地域をつくり直すのではなく、そこに住む人々自身により再生を図ることです。つまり住民自身が地域再生の主役にならなければなりません。地域再生は、政府の地域再生本部のリーダーシップで進められるものではありません。同様に都市再生が政府の都市再生本部により達成されるはずもない。」(10ページ)

農業で成功して「食べていける」ことになった地域には、国の農政に反旗をひるがえして独自の政策に踏み切ったところが多いことです。」(65ページ)

日本経済も日本の企業も実はこのように、その外部費用を地域や地域住民に押しつけることにより、成長を遂げてきたのでした。自然環境や地域空間をその代価をほとんど支払うことなく、利用しまくり、利益を集積してきた。地域の側にも、企業が立地してくれればという期待と甘えがあり、外部費用を負担してきたきらいがあります。しかし、その期待と甘えが幻想に過ぎなかったことは新産業都市などの失敗例が示す通りです。」(114ページ)

国の地域再生プログラムについて
この地方分権の時代に時代錯誤もはなはだしい展開になっています。その象徴的な出来事が、政府が認定した地域の再生プログラムに対し、内閣総理大臣が「認定証」を「交付」するというセレモニーです。こうしたセレモニーには、相変わらず国の発すと指導のもとに、全国画一の物差しにより地域再生を行うのだという中央集権的地域政策が感じとれます。・・・・ここでも過去の教訓をまったく学んでいないことがわかります」(192-193ページ)

全国を見渡してみると、わが国では観光事業によって人を呼ぶ地域活性化策は各地で展開されつくされている感があり、いまや全国の地域で競い合っている状況です。どの地方、地域を訪ねても、いわゆる「観光名所」のないところはありません。・・・それで果たして地域再生につながるのかどうか疑問を抱かざるをえないのです」(194ページ)

さらに大いに気になるのは、それらの地域の再生計画により、自治体の財政がいまより厳しくなることが予想されることです。というのも国にそのプログラムが認定されると、2004年度に創設された「地域再生事業債」という地方債が発行できる。つまり地域再生の名目で借金ができることになります。」(196ページ)

なお、本書では「地域福祉計画を地域再生のための有力なツールの一つとしてとらえていいのではないか」(181ページ)とされているところ、
厚生労働省の「全国の市町村地域福祉計画及び都道府県地域福祉支援計画等の策定状況について(平成18年10月1日現在の状況調査結果)」を元に、単純に都道府県別の市町村地域福祉計画の策定状況を、平成18年9月末時点で比較(策定市町村数/県内市町村数)してみたところ関東から関西にかけての地域が策定率が高いようですね。。。

北海道 26.1%
青森県 12.5%
岩手県 5.7%
宮城県 13.9%
秋田県 4.0%
山形県 11.4%
福島県 8.2%
茨城県 11.4%
栃木県 12.1%
群馬県 5.3%
埼玉県 18.3%
千葉県 19.6%
東京都 77.4%
神奈川県 54.3%
新潟県 20.0%
富山県 33.3%
石川県 21.1%
福井県 52.9%
山梨県 14.3%
長野県 23.5%
岐阜県 26.2%
静岡県 69.0%
愛知県 23.8%
三重県 24.1%
滋賀県 15.4%
京都府 32.1%
大阪府 76.7%
兵庫県 29.3%
奈良県 7.7%
和歌山県 13.3%
鳥取県 21.1%
島根県 9.5%
岡山県 6.9%
広島県 13.0%
山口県 36.4%
徳島県 8.3%
香川県 29.4%
愛媛県 25.0%
高知県 2.9%
福岡県 13.2%
佐賀県 4.3%
長崎県 0.0%
熊本県 37.5%
大分県 11.1%
宮崎県 22.6%
鹿児島県 2.0%
沖縄県 14.6%
合 計 22.9%


目次

はじめに
第1章 なぜ、地域再生なのか
1 崩れゆく地域――小旅行での経験から
2 地方分権の状況
3 地域はなぜ衰退したのか
第2章 人権が保障された地域をつくる
1 人権を保障する公共交通の復権
2 バリアフリーのまちをつくる
3 ノーマライゼーションの地域をつくる
4 天災・人災に対し安全、安心な地域をつくる
第3章 地場産業で生活できる地域をつくる
1 脱コメ農業による豊かさの追求
2 林業の復権
3 商店街を生き返らせる
第4章 自然と共生し、持続可能な地域をつくる
1 身近な自然を回復させる
2 水辺空間とともに生きる
3 都市住民を巻き込む
第5章 ヨコ並びでない地域をつくる
1 地域のブランド化を進める
2 地域の資源と環境を活かす
3 特区を活かす
4 表通りだけでなく裏通りこそ
第6章 住民の意思で地域をつくる
1 地域・住民ともに自立し、地域力をつける
2 自らグランドデザインを描く
3 地域の意見を反映した条例づくり
4 地域福祉計画を土台として
第7章 地域再生に向けて
1 国の再生策で地域再生は可能か
2 新たな役割分担のもとで
3 異議申し立てできる地域をつくる



2002年度以降コピーを取って、あるいは印刷して読んだ論文等

計画間調整の法理--自治体計画策定権限の憲法保障を中心として-1- / 大橋洋一 自治研究. 68(10) [1992.10]

はじめに
第一章 わが国における計画間調整(概説)
 第一節 現行法制における調整手法
 第ニ節 調整の現状と一般法理の必要性
  (一) 計画間調整の現状
  (ニ) 計画間調整の法理の必要性と基本的な視角
第二章 地方自治の保障と自治体計画権限
 第一節 人権型地方自治と組織原理型地方自治
  第一款 基本的人権としての地方自治
  第ニ款 国家組織の構成原理としての地方自治
 第二節 自治「行政」としての地方自治

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